私の旅行日記・雑感コラム(6)「海外旅行先でのトラブル3」

トラブルの話を続けて書いていますが、私史上!一番の

トラブルだと思っているのは、イタリアでの国際列車

乗り間違え事件。

大学生の時の、バックパッカーの旅でのことです。

アエロフロート機の事件を知る数日前のことでもあります。

ある都市の中央駅から、自分では国際列車に乗ったつもりで

おりました。

ところが、数十分もすると、列車はのどかな田園地帯を

ひたすら走り続けています。

自分が行きたい都市のイメージとは異なり、どんどん

寂しい田舎町に景色は変わっていきました。

同じ車両に乗っていた人に、片っ端から「この列車は

どこに行くのですか?」と尋ねましたが、英語が通じる

人がいません。

私が訪ねまわっている様子を見た人が、隣の車両から

英語の話せる人を探し出してきてくれて、「この人に

説明するといいよ」と促してくれました。

めちゃくちゃな英語だったとは思うのですが、状況を

理解したような感じのその人は、突然、車両から

いなくなりました。

「話を聞いたけれど、どうしようもないと思って、

自分の席に戻ったのかな?」と思い、途方に暮れて

おりました。

それから10分くらいが経過したでしょうか。

先ほどの英語が話せる人と、車掌さんらしき人が現れ、

いきなり「列車を降りるように」と促されました。

降りろと言われても、駅でも何でもない、ただただ線路が

続いているだけの場所。

こんなところで降ろされたら、もしかしたら餓死して

しまうかも!?(大げさですが、当時はそのくらい

切羽詰まっていました)と思いましたが、とにかく降りろと

いう指示。

仕方なく、線路に降りたら、少し先の反対車線には別の列車が

停まっていました。

そうです!

私たちが乗車してきた都市行きの、つまり反対方向の列車を

止めて、その列車に乗り換えさせてくれようとしているのです。

ようやく事情がのみ込めた私たちは、急いで、反対側の列車に乗り

込みました。

そして両方の列車が再び走り出して列車がすれ違った時、今まで

私たちが乗っていた列車の乗客の皆さんが、「よかったねえー」

という感じで、拍手をして見送ってくれたのです。

見ず知らずの東洋人を救ってくれただけでなく、「本当に

よかったねえ」という感じで、皆さんが大きく手を振って

見送ってくれました。

想像もしていなかったことが起こったので、反対方向行きの

列車に乗ってからも20~30分くらいは、放心状態のまま。

今でも、「あれは夢だったのかなあ」と思うことすらあります。

ドイツのような、時間に正確な国では絶対に起こりえなかったで

あろう、「列車乗り換え事件」ですが、私にとっては、人生で

一番の海外旅行トラブルであり、一番記憶に残っている事件とも

いえます。

見ず知らずの私たちを、駅ではないところで列車を停めてまで、

無事に反対方向の列車に乗せてくれたイタリアの皆さんには、

どれだけ感謝しても感謝しきれません。

私史上、これ以上の珍事件は起こらないだろうと、今でも思って

いるアクシデントです。

(写真はルクセンブルクの鉄道橋です。線路の写真なんてない

 だろうなあと思いつつ、写真を眺めていて見つけた写真です)



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